本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。
本日は、『社長の孤独力』1章2項「銀行からお金を借りられない」を解説いたします。
私は決算書を見ながら「どうやったら銀行から資金調達できるか?」を判断することを仕事の1つにしていますので、「銀行から資金調達できない」という相談を多くいただきます。『社長の孤独力』の中では、「2期連続赤字でも資金調達する方法はある」と書かせていただきましたが、このご相談は多く、1日の面談内容がすべて「銀行から資金調達できない」だったこともございます。
今から10年ほど昔、あるガソリンスタンドの2代目経営者の方から「銀行から資金調達できない」と相談を受けた事例をお話しします。2代目経営者が持ってきた決算書を見させていただき、「銀行を10行周ったら、3行ぐらいから資金調達できる」とアドバイスをいたしました。すると2代目経営者は「それだったら、資金調達のために銀行を20行周ってやろう」と言われ資金調達のために銀行を周りました。結果は、銀行を4行周り、そのうち3行から合計で1,500万円の資金調達を成功させました。これは10年ほど昔の事例ですが、現在でも2期連続赤字ぐらいまでなら資金調達を成功させることは可能だと思います。
また、資金調達でネックとなる債務超過を消す方法もございます。よくあるパターンとして役員貸付を利用する方法。これは何かと言いますと、会社が厳しいので経営者のお給料をちょっと止めたものが、だんだん積み上がっていくものが、役員貸付にあたります。これは企業側から見ると負債にあたりますが、この部分を出資見なしで処理をすることで債務超過を減らす効果がございます。
決算書を読む時は、貸借対照表(B/S)を見て、債務超過を消す方法を考えることが良い方法です。銀行に資金調達をする際には必ず、5年分の事業計画と、3期分の決算書を持っていき「役員貸付部分は出資見なしにしてくれないか?」と相談をしてください。
場合によっては銀行に飛び込み営業をしてもよいです。銀行への飛び込み営業ではすぐに資金調達をすることは難しいですが、半年後ぐらいに「あの時に飛び込みをされましたが、その後どうですか?」と銀行側から訪ねてきて、資金調達を成功させたケースもございます。銀行から資金調達が出来ないとお悩みでも、諦めずに決算書を見て、事業計画などを作り、そして会社案内とともに持って銀行に行き、何とかお金を貸してくれないかとご相談されることが良い方法です。
「社長の孤独力」を見ていただければ、詳しい記載がございます。また分からないことがございましたら私までご相談をしてください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。
本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「銀行からお金を借りられない」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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