Q:稼いでも稼いでも、会社にお金が残らない際の対処法とは?

本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。

本日は、『社長の孤独力』1章3項「稼いでも、稼いでも、お金が残らない」を解説いたします。

よく経営者の皆様から「売上は上がっていっているのにお金が残らない」とご相談を受けます。昔、飲食店の経営者から「オープンしたばかりお店で売上はすごく上がって、営業利益も出ているはずなのに、お金が残らない」と相談を受けました。私は「その店の店長のクビを絶対に切りなさい」とアドバイスをしました。その店長を解雇した瞬間から、営業利益が20%以上も出て、お金が残るようになりました。この飲食店にお金が残らない理由は、店長が不正をしていたため、代わった瞬間にお金が残るようになったのです。

経営者が「売上が上がっていれば良い」と考えることは、会社経営としては駄目なパターンです。営業利益や最終利益が残る体質にせねばならず、そのためには全社員の意識を変えなければなりません。そのための方法として、「営業利益で評価する人事評価制度に変える」というものがございます。売上で評価をするのではなく、営業利益で評価をする制度に変えることが、全社員にコスト意識を植え付けるためには必要です。

弊社WizBizでは、社員達にコスト意識を植え付けるため、様々な方法を取っています。1つ目が、月2回の全体朝礼で「売上、原価、販管費、営業利益、経常利益などを全社員に見せる」という方法。これを月次で全て見せることで、「売上よりも営業利益を出す方が重要だ」という意識を植え付けることができます。さらに弊社では、3ヶ月ごとに業績給を出しています。この業績給は3ヶ月ごとの収支が黒字でなければ出ない給与ですので、「原価と経費をなるべくコストを下げ、利益を増やすことで給与も増える」と社員たちが考えるようになります。給与制度を導入することも、会社にお金を残す方法になります。

また最後になりますが、管理部にはコストダウンの目標まで作らせ、管理部から毎月、「今月はコピー機で○○枚も刷ったから、このくらいの費用がかかった」という報告を全社員に向けてさせています。

「お金が手元に残らない」とお悩みの経営者様は、まず「経営者も含めて全員が、営業利益やコストダウンを意識していないのではないか?」と考えて下さい。そして、全体の損益決算書を毎月のように全社員で把握し、コストダウンを図っていく方法を取る必要がございます。是非、営業利益やコストダウンの見える化を行い、全社員に徹底してください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「稼いでも、稼いでも、お金が残らない」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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